グループ1前立腺がんでの監視療法は安全、10年前立腺がん死亡率は0.1%
Long-Term Outcomes in Patients Using Protocol-Directed Active Surveillance for Prostate Cancer
背景
悪性度の低い前立腺がんでは監視療法(active surveillance)の採用が広がっているが、その長期的な安全性については依然として懸念が存在する。
アメリカFred Hutchinson Cancer CenterのNewcombらは、北米10施設が参加し、2008年に開始された前向コホートCanary Prostate Active Surveillance Study(PASS)において、active surveillanceを受けたfavorable-risk前立腺がん患者(n=2,155)の長期アウトカムを報告した。
結論
患者の年齢は中央値63歳、83%が白人、90%がグループ1前立腺がんと診断されていた。
診断10年で、生検によるグレード再分類は43%、治療は49%で発生した。遠隔転移は21名で発生し、3名が前立腺がんに関連して死亡した。10年遠隔転移率は1.4%、前立腺がん特異的死亡率は0.4%と推定された。10年全原因死亡率は5.1%であった。
評価
Active surveillance戦略により、患者の半数が疾患の進行も治療なしに経過しており、転移性疾患の発症は2%未満、前立腺がん死亡は1%に満たなかった。治療に伴うQOLの低下を回避できるだけでなく、腫瘍学的にも安全で効果的な戦略であることを確認するデータである。

