Ph陽性ALLの初回治療にポナチニブ:PhALLCON
Ponatinib vs Imatinib in Frontline Philadelphia Chromosome-Positive Acute Lymphoblastic Leukemia: A Randomized Clinical Trial
背景
フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の予後は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)イマチニブの登場により劇的に向上したが、耐性獲得は依然として大きな問題である。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのJabbourら(PhALLCON)は、世界77施設の新規診断成人Ph+ALL患者を対象に、強度減弱化学療法に併用してポナチニブまたはイマチニブ(20ヵ月以降は単剤投与)を2:1で割り付け、微小残存病変(MRD)陰性の完全寛解率を比較する第3相国際RCTを実施した(n=245)。
結論
MRD陰性完全寛解率はポナチニブ群で34.4%と、イマチニブ群の16.7%より有意に高かった(リスク差 0.18)。
無イベント生存期間(中央値)は、ポナチニブ群で中央値未到達、イマチニブ群では29ヵ月であった。一般的な有害事象は両群で類似しており、動脈閉塞イベントはポナチニブ群2.5%、イマチニブ群1.2%と、稀であった。
評価
Ph+ALLファーストラインでの第三世代TKIポナチニブは、完全寛解率でイマチニブを凌駕し、同薬で問題となってきた血栓イベントについても有意な増加は認められなかった。FDAはこの結果を受けて、この適応での迅速承認を付与している。

