禁煙失敗後はバレニクリンを増量
Smoking Cessation After Initial Treatment Failure With Varenicline or Nicotine Replacement: A Randomized Clinical Trial
背景
禁煙補助薬バレニクリンまたはニコチン置換療法(CNRT)による初期治療で禁煙できなかった場合の、最善の後続戦略は。
アメリカUniversity of Texas MD Anderson Cancer CenterのCinciripiniらは、490名の喫煙者を対象として、この問題を検討するRCTを行った。バレニクリンまたはニコチン置換療法(CNRT)による第1段階治療で禁煙できなかった患者を、さらに6週間、服薬継続/切り替え/投薬量増加に無作為に割り付けた。再無作為化では、バレニクリン/CNRTを同用量を継続するか、バレニクリンとCNRTを切り替えるか、またはバレニクリンまたはCNRTを増量した。一次アウトカムは、12週の治療終了時における7日間禁煙率(生化学的に検証)である。
結論
バレニクリンを投与され、用量を増量した患者は、6週間後も20%が禁煙を続けていた。他方、CRNTからバレニクリンに切り替えた患者、またはCRNTの用量を増量した患者の禁煙率は14%だった。また、バレニクリン使用患者でCNRTに切り替えた場合の禁煙率は0%だった。バレニクリンの増量は18%の絶対リスク差、99%以上の確率で利益をもたらした。
6ヵ月後に禁煙を持続していた(二次アウトカム)参加者は、用量増量患者のみだった。
評価
禁煙失敗者の禁煙達成の鍵は、バレニクリンの増量である、という MD Anderson Cancer Centerの結論である。同センターは、禁煙を癌制圧の前提条件として重視しており、費用・サービスアクセス・医療提供者間知識格差を考慮しながら、個人・集団両レベルで禁煙達成に取り組んでいる、という。