超加工食品の摂取は推奨健康食を健康食でなくす
Associations Between Ultra-Processed Food Consumption and Adverse Brain Health Outcomes
背景
超加工食品(UPF)の負のインパクトは周知だが、この害は、推奨食事パターンの遵守とは無関係なのか。
アメリカHarvard Medical SchoolのKimberlyらは、UPFと認知機能障害・脳卒中の発症との関連を検討したREasons for Geographic and Racial Differences in Stroke(REGARDS)研究参加者を対象として、これらの関連と推奨食事パターン遵守との関係を検討する前向観察コホート研究を行った(n=[認知機能障害コホート]14,175、[脳卒中コホート]20,243)。
比較された推奨健康食は、地中海食・DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)食・MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)食である。
結論
UPFsの相対摂取量の10%増加毎に認知機能障害のリスクがハザード比(HR)1.16高まった一方、未加工または最小限加工食品の摂取は認知機能障害のリスクを低減した(HR 0.88)。
脳卒中リスクに対するUPFの効果は、白人より黒人で大きかった(HR 1.15)。UPFと認知障害・脳卒中との関連は、地中海食・DASH食・MIND食の遵守とは無関係であった。
評価
UPFの害を示した研究は多く、その対策として推奨健康食を遵守することも示唆されていた。このHarvard論文は、推奨食の遵守のUPFの有害性軽減効果を検討した初めての大規模研究だったが、無効を結論した。UPFの摂取は、健康食を健康食でなくす、とも解釈できる結果である。