脳梗塞へのEVT適応は拡張できる:HERMES第二メタ解析
Imaging features and safety and efficacy of endovascular stroke treatment: a meta-analysis of individual patient-level data
背景
急性期脳梗塞に対する血管内血栓除去療法(EVT)に関してRCTが蓄積されてきている。HERMES共同研究チーム(スぺインHospital Clinic of BarcelonaのRomanら)は、2015年までの5研究後に行われた2研究を含めた7研究を対象とした患者レベルメタ解析結果を発表している(n=1,764)。一次エンドポイントはランダム化90日後のmRSスコアであり、安全性アウトカムはランダム化5日後における脳内出血・2型脳実質内出血・90日以内死亡である。
結論
一次有効性エンドポイントにおけるEVTの優位を確認した(mRSの改善方向のcOR:2.00、90日以内死亡率 14.7% vs. 17.3%)。安全性アウトカムには差はなかった。ASPECT 6点未満、虚血範囲がMCA領域の33%以上の広範虚血症例でもEVTは使用可能とみられる。
評価
AHAによるEVT推奨のエビデンスを提供したHERMESグループのメタ解析の第二弾である。より広汎な症例に対する適応を示唆しており、適応拡大問題に焦点を当てて現在進行中のTENSION・IN EXTREMISに期待を抱かせる結果である。