脳卒中後患者にスタチンは危険か
Statins and the risk of intracerebral haemorrhage in patients with stroke: systematic review and meta-analysis

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry
年月
January 2019
90
開始ページ
75

背景

スタチンが脳卒中後患者の脳出血(ICH)リスクを増す、という報告が懸念を呼んでいる。英University College LondonのZiffらは、関連43研究(317,291人-年)のメタアナリシスを行った。解析は脳卒中サブタイプ(ICHと虚血性脳卒中[IS])に分け、一次アウトカムはICHである。

結論

ICH後患者では、スタチンは一次アウトカムに影響しなかったが、二次アウトカム(死亡・機能予後)に有益であった。またIS後患者でもスタチンはICH再発と関連せず、二次アウトカムへの有益性がみられた。

評価

スタチンには抗血小板・抗凝固作用もあることから重視された問題だが、杞憂ということになった。ただし著者らは、脳出血リスクは0でないがそれは死亡や機能予後への便益により「影が薄くなる(overshadowed)」としている。

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取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)