根治的前立腺切除後の救済放射線治療には2年のホルモン療法を併用すべき:RADICALS-HD
Duration of androgen deprivation therapy with postoperative radiotherapy for prostate cancer: a comparison of long-course versus short-course androgen deprivation therapy in the RADICALS-HD randomised trial
背景
前立腺全摘除後のPSA再発に対しては、救済放射線治療に加えてアンドロゲン除去療法(ADT)を併用することが有望視されている。
イギリスInstitute of Cancer ResearchのParkerら(RADICALS-HD)は、根治的切除術後に放射線治療の適応となった、PSAが5 ng/mL未満で転移のない前立腺がん患者を対象に、6ヵ月間の短期ADTまたは24ヵ月の長期ADTを割り付け、無転移生存率(一次アウトカム)を比較する第3相国際RCTを実施した(n=1,523)。
結論
フォローアップ期間8.9年(中央値)で、無転移生存イベントは、短期ADT群の174名、長期ADT群の139名で報告された(HR 0.773)。10年無転移生存率は、短期ADT群で71.9%、長期ADT群で78.1%であった。
グレード3以上の毒性は、短期ADT群の14%、長期ADT群の19%で報告された。治療関連死亡はなかった。
評価
ADTなしと短期ADTを比較したもう一報(n=1480, https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)00548-8)とともにLancet誌に発表された。そちらではADTなしと短期ADTには有意差がなく、本論文では長期ADTが短期ADTに優った。
生存ベネフィットが微妙であったGETUG-AFU 16、RTOG 0534(SPPORT)、全生存率を改善したRTOG 9601の結果を合わせると、救済放射線治療では長期ADTを併用する方が恩恵が大きいと考えて良いだろう。