重症脳内出血ではおそらく減圧開頭術を行った方が良い:SWITCH試験
Decompressive craniectomy plus best medical treatment versus best medical treatment alone for spontaneous severe deep supratentorial intracerebral haemorrhage: a randomised controlled clinical trial
背景
脳卒中に対する開頭外減圧術は、強い浮腫を伴う中大脳動脈の閉塞に対して有効性を確立しているが、重篤な深部脳内出血に対して開頭減圧がベネフィットを有するかは明らかでない。
ドイツUniversity of FreiburgのBeckら(SWITCH)は、ヨーロッパ9ヵ国の脳卒中センターで、大脳基底核・視床を含む重症テント上頭蓋内出血患者に対し、減圧開頭術+最善の内科的治療または最善の内科的治療のみを割り付け、減圧開頭術が180日アウトカムを改善するかを検証する多施設RCTを実施した。
結論
2014年から開始された試験は、資金不足により、予定の300人に満たない201名がランダム化された時点で中止された。
180日後のmRS5-6(重度の障害または死亡)であった患者の割合は、減圧開頭群44%、対照群58%であった(調整リスク比 0.77)。
重篤有害事象は減圧開頭群の41%、対照群の44%に発生した。
評価
中途終了したためエビデンスとしては弱まっているものの、点推定値は開頭減圧群で優っており、重度脳内出血患者において血腫除去を行わない開頭減圧が有効である可能性を示唆する結果となった。