GLP1-RA・SGLT2iの心血管効果:BWHのメタアナリシス
Comparison of the Effects of Glucagon-Like Peptide Receptor Agonists and Sodium-Glucose Co-Transporter 2 Inhibitors for Prevention of Major Adverse Cardiovascular and Renal Outcomes in Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-Analysis of Cardiovascular Outcomes Trials
背景
GLP1受容体作動薬(GLP1-RA)・SGLT2阻害薬(SGLT2i)の心血管リスク低減効果に関して研究が蓄積されてきた。Brigham and Women's HospitalのZelnikerらは、この問題を検討した8RCTの系統レビュー・メタアナリシスを行なった(n=77,242)。一次アウトカムは、MACE(心筋梗塞・脳梗塞・心血管因死亡)・心不全入院(HHF)・腎臓病進行である。
結論
GLP1-RA・SGLT2iはMACEを各12%(HR:0.88)・11%(HR:0.89)減少させた。この効果は両薬ともに動脈硬化性心血管疾患患者に限られた。SGLT2iだけがHHFリスクを31%低減した。両薬とも腎臓病の進行リスクを低減したが、SGLT2iのみがeGFR低下・末期腎臓病・腎臓病死亡のリスクを低減した(HR:0.55)。
評価
ほぼ同時に発表された13論文のメタアナリシスは、SGLT-2iはhHFを減らし、GLP1-RAにMI・脳卒中低減効果がある一方、DPP-4iは心血管ニュートラル、としている(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30794833)。結論には収束がみられるようである。