糖尿病性末梢神経障害へのアセチル-L-カルニチン:中国における第3相RCT
Acetyllevocarnitine Hydrochloride for the Treatment of Diabetic Peripheral Neuropathy: A Phase 3 Randomized Clinical Trial in China
背景
糖尿病性末梢神経障害(DPN)治療には、決め手がない。
中国Chinese Academy of Medical SciencesのGuoらは、DPNを有する二型糖尿病(T2D)患者を対象として、糖尿病治療薬へのacetyllevocarnitine hydrochloride(ALC)併用の効果を検証する多施設RCTを行った(対照:プラセボ, n=458, 24週)。一次アウトカムは、修正トロント臨床神経障害スコア(mTCNS)である。
結論
ACLの一次アウトカムの有効性を認めた(-6.9 vs. -4.7)。痛みに関するmTCNS値は両群間で有意差はなかったが、mTCNSの残り10項目でALCは有意な改善を示した。電気生理学的測定(EPS)の全体的な結果は決定的ではなく、有意な改善は主に尺骨神経と正中神経に限られた。治験治療中に発現した有害事象(TEAE)の発生率はALC群で51.2%であり、尿路感染症・高脂血症が多かった。
評価
カルニチン欠乏はT2Dのリスク増と関連しているが、カルニチン補充療法のDPNへの有効性に関しては結論が一致しておらず、Cochrane Reviewは ”we are very uncertain”と異例の評価を行っていいる(https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD011265.pub2/full/ja)。最も重要な痛みに関して無効を確認したここでのRCTが、確実性をもたらしたかどうかは、不明である。