PADへのDES vs. DCB、開存率は2年まで同等
Drug-Eluting Stent Versus Drug-Coated Balloon Revascularization in Patients With Femoropopliteal Arterial Disease
背景
末梢動脈疾患(PAD)治療におけるDESと薬剤溶出性バルーン(DCB)の優劣は、直接比較されたことがない。ドイツUniversity Hospital LeipzigのBausbackら(The REAL PTX)は、ドイツ・ベルギーの大腿膝窩動脈疾患患者を対象として両治療の治療効果を比較するRCTを行なった(n=150)。一次有効性エンドポイントは12ヶ月時点での一次開存率である。
結論
DES・DCBは一次有効性エンドポイントに差がなかった。しかし、36ヶ月時点では開存率54% vs. 38%とDESが優位となった。DCBにおいて手技関連死亡が1件あった。
評価
Paclitaxel DES・DCBによる死亡率上昇可能性を注意喚起した最近のFDA発表(https://www.fda.gov/MedicalDevices/Safety/LetterstoHealthCareProviders/ucm629589.htm)により、この分野は流動化している。この直接比較試験は特定製品を使用していないが、DES・DCBの1年開存率を同等としたもので、両者の長期死亡率を対照と比較したものではない。DESがよい、という結論は尚早であろう。