胸部下行大動脈瘤にはTEVARか
Endovascular Versus Open Repair of Intact Descending Thoracic Aortic Aneurysms
背景
下行胸部大動脈瘤のマネージメントにおいて、2年アウトカムで開胸術がステントグラフト治療(TEVAR)に優る、というデータが出ている。Stanford UniversityのDakeらは、この問題を検討する後向解析を行った。1999~2010年にMedicareカバー治療して2014年までフォローした未治療下行胸部単独大動脈瘤患者を対象とし、オープン1,235例、TEVAR 2,470例を傾向マッチ比較した。一次アウトカムは死亡、二次アウトカムは再処置である。
結論
周術期死亡オッズはオープン群が高く、大ボリュームセンターでも1.97に達した。オープン群の晩期死亡リスクは低かったが、平均生存期間はTEVARが有意に209日長かった。ただし、二次アウトカムではオープン群がはるかに優った。
評価
大規模本格RCTがないままスタンダードが揺れ動いている問題である。このStanford調査はリーズナブルなものとみられ、どちらかといえばTEVARが選好されるという流れを作り出した。