胸部下行大動脈瘤にはTEVARか
Endovascular Versus Open Repair of Intact Descending Thoracic Aortic Aneurysms

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
February 2019
73
開始ページ
643

背景

下行胸部大動脈瘤のマネージメントにおいて、2年アウトカムで開胸術がステントグラフト治療(TEVAR)に優る、というデータが出ている。Stanford UniversityのDakeらは、この問題を検討する後向解析を行った。1999~2010年にMedicareカバー治療して2014年までフォローした未治療下行胸部単独大動脈瘤患者を対象とし、オープン1,235例、TEVAR 2,470例を傾向マッチ比較した。一次アウトカムは死亡、二次アウトカムは再処置である。

結論

周術期死亡オッズはオープン群が高く、大ボリュームセンターでも1.97に達した。オープン群の晩期死亡リスクは低かったが、平均生存期間はTEVARが有意に209日長かった。ただし、二次アウトカムではオープン群がはるかに優った。

評価

大規模本格RCTがないままスタンダードが揺れ動いている問題である。このStanford調査はリーズナブルなものとみられ、どちらかといえばTEVARが選好されるという流れを作り出した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)