スタチンアドヒアランスが悪いほど死亡リスクが上がる
Association of Statin Adherence With Mortality in Patients With Atherosclerotic Cardiovascular Disease
背景
スタチンの服薬アドヒアランスは、アテローム性心血管疾患(ASCVD)患者の死亡率とどの程度関連するのか。Stanford UniversityのRodriguezらは、VA Health System受診ASCVD患者 347,104名を対象とする後向コホート解析を行った。スタチンアドヒアランスはMPR(medication possession ratio)で定義し、一次アウトカムは調整全死因死亡とした。
結論
服薬アドヒアランスの低い集団は、高強度スタチン療法・女性・非ヒスパニック系白人以外の人種・64歳以下もしくは75歳以上であった。アドヒアランス良好な患者(MPR≧90%)に対する一次アウトカムハザード比は、MPR<50%で1.30、50-69%で1.2、70-89%で1.08であった。
評価
スタチンアドヒアランスは、アメリカでも大問題になっている。先行研究を上書きする結果だが、大規模リアルワールド集団で用量作用関係を示したものは初めてである。ACC/AHAガイドラインが強調するように、LDL-Cレベルを定期検査し、来診ごとに必ず服薬を確認することが基本である。