若年マントル細胞リンパ腫治療にイブルチニブ追加で移植は不要に?:TRIANGLE試験
Ibrutinib combined with immunochemotherapy with or without autologous stem-cell transplantation versus immunochemotherapy and autologous stem-cell transplantation in previously untreated patients with mantle cell lymphoma (TRIANGLE): a three-arm, randomised, open-label, phase 3 superiority trial of the European Mantle Cell Lymphoma Network
背景
若年のマントル細胞リンパ腫(MCL)においては、リツキシマブ併用化学療法による導入療法後に自家幹細胞移植(ASCT)が目指されるが、イブルチニブはこうした現行オプションに変革をもたらすか?
ドイツLMU UniversityのDreylingら(TRIANGLE)は、ヨーロッパを中心とした14ヵ国165施設において、18〜65歳で未治療かつASCT適応のあるII-IV期MCL患者を登録し、R-CHOPとR-DHAPを交互に行ったのち、ASCTを行うA群(対照群)、これにイブルチニブを追加する(移植後の維持療法としても)にA+I群、同じくイブルチニブを投与するが、ASCTは行わないI群へと割り付けるRCTを実施した(n=870)。
結論
3年治療成功生存率は、A群72%に対してA+I群88%と、A+I群が優った(HR 0.52)。また、A群のI群(86%)に対する優越性も示されなかった(HR 1.77)。A+I群とI群の比較は現在も進行中である。
評価
イブルチニブを併用したA+I群では、A群と比較して奏効維持率が有意に改善され、イブルチニブのファーストライン使用が支持された。
注目すべきは、ASCTを省略したI群の成績がA+I群に匹敵している点で、長期の結果次第では、若年MCLでの自家移植はイブルチニブによって置き換わるかもしれない。

