サナビトリル・バルサルタン合剤は急性非代償性心不全入院患者に有効・安全
Angiotensin-Neprilysin Inhibition in Acute Decompensated Heart Failure
背景
急性非代償性心不全入院患者へのサナビトリル・バルサルタン合剤の安全性・効果は。Yale UniversityのVelazquezら(PIONEER-HF)は、米国129施設でHFrEFの同入院患者を対象を対象として、同合剤の効果をエナラプリルと比較するRCTを行った(n=881)。一次有効性アウトカムは、ベースラインから4週・8週目時のNT-proBNPレベルの時間平均変化率、一次安全性アウトカムは、腎機能低下・高カリウム血症・症候性低血圧・血管浮腫である。
結論
サナビトリル・バルサルタン合剤の一次アウトカム効果が示された(8週時点でのNT-proBNPレベル時間平均低下率:46.7% vs. 25.3%)。この効果は1週時点で明らかであり、一次安全性アウトカムにも有意差はなかった。
評価
この方向の有益性を示したPARADIGM-HF結果(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25176015)は、外来患者の関するものであった。同療法の更に重症な入院患者への適応が確認された。