冠動脈の不安定プラークでの予防的PCIは有効:PREVENT試験
Preventive percutaneous coronary intervention versus optimal medical therapy alone for the treatment of vulnerable atherosclerotic coronary plaques (PREVENT): a multicentre, open-label, randomised controlled trial

カテゴリー
循環器、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
April 2024
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開始ページ
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背景

脂質成分が多いアテローム硬化性プラーク(不安定プラーク)は、急性冠症候群や心臓死の原因となることが多いが、非閉塞性の不安定プラークに対して、PCIによる予防的治療を行う意義はあるか?
韓国University of UlsanのParkら(PREVENT)は、韓国・日本・台湾・ニュージーランドで、冠血流予備量比(FFR)0.8超の不安定冠動脈プラークが確認された患者を、PCI+最善の内科的治療または最善の内科的治療のみ(対照群)へと割り付け、2年複合一次アウトカム(心原因死亡・標的血管因心筋梗塞・標的血管虚血による血行再建・不安定狭心症による入院)を比較するRCTを実施した(n=1,606)。

結論

2年間で、PCI群の0.4%、対照群の3.4%で一次アウトカムが発生した。一次アウトカム各要素について、PCIの有効性は一貫していた。2年以内の死亡率はPCI群0.5%、対照群1.3%であり、心筋梗塞発症率は各1.1%、1.7%であった。
重篤有害事象には差がなかった。

評価

閉塞性でない不安定プラークに対する予防的局所治療の有効性を、大規模RCTによって初めて示した。PCIの適応拡大につながりうるエビデンスである。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)