AIで患者の悪化を予測し、不要な治療エスカレーションを減らす
Effectiveness of an Artificial Intelligence-Enabled Intervention for Detecting Clinical Deterioration
背景
入院患者の臨床的悪化を予測する目的で早期警戒スコアがいくつも開発されているが、有効性に関するエビデンスは限定的である。
アメリカStanford UniversityのGalloらは、Epic Deterioration Index(EDI)予測モデルを調整し、EDIスコアに基づくアラートをワークフローに組み込み、治療のエスカレーション(rapid response teamの起動、集中治療室への移送、院内心停止)への影響を評価するコホート研究を実施した。
結論
9,938名の患者が入院し、うち963名ではリスクスコアが回帰不連続ウィンドウ内(高リスク化の可能性があるサブセット)であり、一次回帰不連続分析に組み込まれた。このグループのElixhauser Comorbidity Index(合併症リスクスコア)は中央値10であった。
介入により、治療のエスカレーションは絶対リスクで10.4%減少した。
評価
EDIはバイタル・電子カルテ記録・検査結果などを継続的に取得し、状態悪化を自動予測する予測モデルで、これを院内ワークフローに組み込むことで、より効果的な治療がもたらされた。


