予防接種直後に発熱した乳児、侵襲性細菌感染症リスクは低い
Serious bacterial infection risk in recently immunized febrile infants in the emergency department
背景
予防接種を受けた直後の乳児では発熱が一般的であるが、侵襲性細菌感染症(髄膜炎・菌血症)のリスクが低いと考えられるこれらの発熱児における適切な診療アプローチは十分定義されていない。
アメリカNaval Medical Center San DiegoのCaseyらは、アメリカ軍内の救急外来2ヵ所で、38 ℃以上の発熱により受診した生後6〜12週の乳児を対象とした後向カルテレビューを行い、直近72時間以内の予防接種と重篤な細菌感染症の有病率との関連を評価した(n=508)。
結論
発熱児の11.4%が重篤な細菌感染症(SBI)であった。直近に予防接種を受けていなかった発熱児のSBI有病率は13.7%であったのに対し、直近に予防接種を受けた児の有病率は3.5%であった(相対リスク 0.3)。
直近に予防接種を受けた発熱児では侵襲性細菌感染症は認められず、肺炎の1名を除いて、SBIはいずれも尿路感染症であった。
評価
後向カルテレビューではあるが、予防接種後の発熱児では侵襲性細菌感染症のリスクが低いことを確認した。これらの発熱乳児では、侵襲的でない検査アプローチも考慮する必要があるだろう。