高TG血症へのAPOC3生成阻害アンチセンス薬olezarsen、第3相へ:Bridge-TIMI 73a
Olezarsen for Hypertriglyceridemia in Patients at High Cardiovascular Risk
背景
Olezarsenは、アポリポ蛋白C-III(APOC3)mRNAを標的化した新規アンチセンスオリゴヌクレオチド薬である。アメリカBrigham and Women’s HospitalのBergmarkら(Bridge-TIMI 73a)は、154名の中等度高トリグリセリド(TG)血症・心血管系疾患高リスク、または重度高TG血症の成人患者を対象として、同薬の効果・安全性を検証する第2b相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、ベースライン後6ヵ月でのTG値の変化率である。
結論
Olezarsen(50 mg・80 mg)の一次アウトカムに対する効果を認めた(各49.3%ポイント低下・53.1%ポイント低下 vs. プラセボ)。
APOC3・アポリポ蛋白B・非HDL-C値の有意な低下も認めたが、LDL-C値に有意な変化はなかった。有害事象・重篤有害事象のリスクは3群同等であった。
評価
Ionis Pharmaceuticalsの創薬で、有望な効果を示して第3相に入った。中等症以上の高TG血症患者へのこの方向からのアプローチは魅力的であり、APOC3コード化mRNAを分解するsiRNA薬plozasiranの臨床試験SHASTA-2も並走中である(https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/article-abstract/2817469)。