ALK陽性肺がん患者への術後補助アレクチニブで再発が1/4に:ALINA
Alectinib in Resected ALK-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
ALK阻害薬は、ALK陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対して有効性を示しているが、切除可能なALK陽性NSCLCでの術後補助使用にはエビデンスがなく、この患者グループでの術後補助治療としては、プラチナ化学療法が推奨されているのみである。
中国Southern Medical UniversityのWuら(ALINA)は、完全切除が行われたIB期・II期・IIIA期のALK陽性NSCLC患者を、24ヵ月間の経口アレクチニブまたは4サイクルの静注プラチナ化学療法へと割り付け、無病生存率を比較する国際共同第3相RCTを実施した(n=257)。
結論
II期・IIIA期患者における2年無病生存率は、アレクチニブ群で93.8%、化学療法群で63.0%であり(HR 0.24)、ITT集団における2年無病生存率はそれぞれ93.6%、63.7%であった(0.24)。無CNS(中枢神経系)疾患生存についてもアレクチニブのベネフィットが認められた(HR 0.22)。
評価
これまでALK陽性肺がんに対するALK標的治療のデータはほとんどなかったが、本試験は、術後補助療法としてのアレクチニブが再発リスクを1/4にまで抑制することを明らかにした。ALK陽性肺がんで好発する脳転移に対しても同様の効果を示しており、適応拡大が承認されれば、重要な治療選択肢となる。