PheWASが示すAFリスクのゲノム基盤
Association of Thyroid Function Genetic Predictors With Atrial Fibrillation: A Phenome-Wide Association Study and Inverse-Variance Weighted Average Meta-analysis
背景
甲状腺機能亢進症と心房細動(AF)の関連にはどの程度ゲノムベースがあるのか。フランスPitie-Salpetriere HospitalのSalemらは、TSHレベルに関するPheWASデータとEHRデータ(n=37,154)からこの関連を検討し、AFに関するケース・コントロールGWAS研究(AF:n=17,931、対照:n=115,142)と照合した。
結論
TSHに関する多遺伝子予測因子は甲状腺機能低下症と正に、甲状腺機能亢進症と負に相関し(p=2×10^-8)、またそれらとAFとの関連が確認された(p=9×10^-7)。GWASによる再検証でも、予測TSH1SD増加はAFリスク減(OR:0.86)と関連した。
評価
この問題に関するGWAS全欧共同研究の結果をPheWASで補強し、AFと甲状腺機能との関連に遺伝子基盤があることを確定した。臨床的には無症状の甲状腺機能亢進症患者にどう対応すべきかという問題であり、「遺伝子検査をすればよい」という推奨を帰結する。