小児の末梢静脈カテーテル、ドレッシング材の選択で失敗は大きく減らせる:PRECARE試験
Novel Peripheral Intravenous Catheter Securement for Children and Catheter Failure Reduction: A Randomized Clinical Trial
背景
末梢静脈カテーテル(PIVC)の固定では、抜去などの事故がしばしば発生するが、ドレッシング材を含む固定戦略の選択により、PIVC失敗を予防できるだろうか?
オーストラリアLogan HospitalのChartersら(PRECARE)は、同国2施設の救急外来を受診し、入院とPIVC固定が必要となった小児患者(月齢6ヵ月から8歳)を対象に、従来のボーダー型のポリウレタンドレッシング材(Tegaderm Advanced、対照群)、カテーテル固定テープと一体となったポリウレタンドレッシング材(SorbaView SHIELD)±組織接着剤(SecurePortIV)によるPIVC固定を1:1:1で割り付け、何らかの理由によるPIVC失敗率を比較するRCTを実施した(n=383)。
結論
PIVCの失敗率は、従来ドレッシング材群の34%に対し、一体型ドレッシング材のみ群で21%(aHR 0.78、非有意)、一体型ドレッシング材+接着剤群では12%と有意に低下した(0.47)。
失敗に関連するコストを考慮した各戦略の直接費用は、従来ドレッシング材群の中央値341豪ドルに対し、一体型ドレッシング材のみ群で303豪ドル、一体型ドレッシング材+接着剤群で312豪ドルと、2戦略とも有意に低コストであった。
PIVCの寿命や忍容性は、全群同等であった。
評価
現在、標準的に使用されているボーダー型と比較して、テープ一体型のドレッシング材と接着剤の組み合わせは、固定の失敗を有意に抑制し、費用対効果も良好であった。将来のプラクティスチェンジにつながる可能性のあるエビデンスである。