滑膜肉腫でT細胞受容体療法Afami-celが持続的奏効
Afamitresgene autoleucel for advanced synovial sarcoma and myxoid round cell liposarcoma (SPEARHEAD-1): an international, open-label, phase 2 trial
背景
MAGE-A4は、正常組織では精巣を除いてほとんど発現が認められない一方、固形がんの多くで高度に発現しているがん抗原であり、T細胞受容体(TCR)療法の有望な標的とみなされている。
アメリカMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのD'Angeloらは、第2相SPEARHEAD-1試験のコホート1として、MAGE A4陽性かつHLA-A*02陽性の進行滑膜肉腫(n=44)・粘液型/円形細胞型脂肪肉腫(n=8)を登録し、リンパ球除去療法後にafamitresgene autoleucel(afami-cel、開発コードADP-A2M4)を単回投与し、その有効性を評価した。
結論
登録患者の前治療歴は中央値3ラインであった。
全奏効率はコホート1全体で37%、滑膜肉腫の患者で39%、脂肪肉腫の患者では25%であった。
サイトカイン放出症候群は71%で発現し、1名がグレード3であった。グレード3以上の有害事象としてリンパ球減少が96%、好中球減少が85%、白血球減少が81%に認められた。治療関連死亡はなかった。
評価
滑膜肉腫では普遍的に発現が認められるMAGE-A4を標的としたTCR療法は、複数ラインの治療歴を有する患者で持続的な奏効をもたらした。治療選択肢の少ない滑膜肉腫に対する臨床的インパクトは大きく、他の固形がんへの拡大も期待される。