滑膜肉腫でT細胞受容体療法Afami-celが持続的奏効
Afamitresgene autoleucel for advanced synovial sarcoma and myxoid round cell liposarcoma (SPEARHEAD-1): an international, open-label, phase 2 trial

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2024
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背景

MAGE-A4は、正常組織では精巣を除いてほとんど発現が認められない一方、固形がんの多くで高度に発現しているがん抗原であり、T細胞受容体(TCR)療法の有望な標的とみなされている。
アメリカMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのD'Angeloらは、第2相SPEARHEAD-1試験のコホート1として、MAGE A4陽性かつHLA-A*02陽性の進行滑膜肉腫(n=44)・粘液型/円形細胞型脂肪肉腫(n=8)を登録し、リンパ球除去療法後にafamitresgene autoleucel(afami-cel、開発コードADP-A2M4)を単回投与し、その有効性を評価した。

結論

登録患者の前治療歴は中央値3ラインであった。
全奏効率はコホート1全体で37%、滑膜肉腫の患者で39%、脂肪肉腫の患者では25%であった。
サイトカイン放出症候群は71%で発現し、1名がグレード3であった。グレード3以上の有害事象としてリンパ球減少が96%、好中球減少が85%、白血球減少が81%に認められた。治療関連死亡はなかった。

評価

滑膜肉腫では普遍的に発現が認められるMAGE-A4を標的としたTCR療法は、複数ラインの治療歴を有する患者で持続的な奏効をもたらした。治療選択肢の少ない滑膜肉腫に対する臨床的インパクトは大きく、他の固形がんへの拡大も期待される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)