アスピリンによる心血管疾患一次予防効果、メタ解析結果は「やや否定的」
Association of Aspirin Use for Primary Prevention With Cardiovascular Events and Bleeding Events: A Systematic Review and Meta-analysis
背景
心血管疾患や癌の一次予防におけるアスピリンの効果の検討が進んできた。英Imperial College LondonのZhengらは、心血管疾患一次予防におけるアスピリン使用に関する13RCT(n=164,225)のメタ解析を行った。一次心血管アウトカムは全心血管死亡・非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中であり、一次出血アウトカムは各RCT基準による大出血である。
結論
アスピリンの一次心血管アウトカム効果が示された(HR:0.89)一方、一次安全性アウトカムリスクは上がった(HR:1.43)。
評価
「11%の心血管死亡リスク抑制効果があるが、大出血リスクは43%増える」という結論である。昨年のASPREEのようには否定的でなく、「患者とよく相談して決定する」というような中間的なポジションを支持する。