PETの結果によりHER2陽性乳がんでの化学療法をde-escalationする:第2相PHERGain
3-year invasive disease-free survival with chemotherapy de-escalation using an 18F-FDG-PET-based, pathological complete response-adapted strategy in HER2-positive early breast cancer (PHERGain): a randomised, open-label, phase 2 trial
背景
HER2陽性早期乳がんの予後は、HER2標的治療の登場により大きく改善され、一部患者での化学療法のde-escalationも検討されいている。
スペインInternational Breast Cancer Center(IBCC)のPerez-Garciaらによる第2相RCT、PHERGainは、ヨーロッパ7ヵ国45施設で、HER2陽性・I〜IIIA期切除可能浸潤性乳がん患者に対する術前治療として、ドセタキセル+カルボプラチン+トラスツズマブ+ペルツズマブ(TCHP)を投与するA群、またはトラスツズマブ+ペルツズマブ±内分泌療法を行うB群へと1:4で割り付け、B群では18F-FDG-PET評価において奏効が認められなかった場合、TCHPへと切り替えを行った(n=356)。
結論
B群のPET奏効患者における3年無浸潤疾患生存率は94.8%であり、一次エンドポイントを達成した。
治療に関連するグレード3以上の有害事象(62% vs. 33%)および重篤有害事象(28% vs. 14%)の発生は、A群の患者でより多かった。病理学的完全奏効(pCR)患者では、グレード3以上の有害事象はわずか1%であった。
評価
化学療法なしの術前HER2標的治療を受けたB群では、8割がPETでの奏効、1/3が手術時にpCRを達成しており、ほとんどがイベントなしに3年以上生存した。バイオマーカーによるリスクスコアとあわせて、次の時代のカスタマイズ治療として注目される。