心血管イベント二次予防のためのカナキヌマブ使用は費用効果的でない
Cost-effectiveness of Canakinumab for Prevention of Recurrent Cardiovascular Events
背景
CANTOS試験は、抗炎症性モノクローナル抗体 カナキヌマブのMI既往者の一部での主要心血管イベント二次予防有効性を示したが、同薬は高価である。デンマークCopenhagen UniversityのSehestedらは、MI後でhs-CRP≧2 mg/Lの患者の仮想コホートを構築し、標準単独治療への同薬追加の費用効果を評価した。
結論
カナキヌマブの追加により平均余命は11.31年から11.36年、QALYは9.37から9.50、コストは242,000ドルから1,074,000ドルとなり、QALYあたりの費用対効果の増分比率は640万ドルであった。支払意思額閾値QALYあたり10万ドルを満たすには、価格を98%以上(1年あたり1,150ドル以下に)引き下げる必要がある。肺がん発生に対するカナキヌマブの潜在的有効性までを含めると、QALYあたりの費用対効果の増分比率は350万ドルに改善される。hs-CRP <2 mg/Lになるまで選択的にカナキヌマブ継続する方法では、QALYあたり819,000ドルの費用対効果比を有する。
評価
結論は費用効果的でない、ということである。FDAはこの目的のための使用を承認しておらず、長期結果で劇的に死亡率が下がるか、Novartisが思い切った値下げをする以外には汎用は難しい。