冠状動脈ステント再狭窄に対するパクリタキセルコーティングバルーンの有益性を確認:AGENT IDE
Paclitaxel-Coated Balloon vs Uncoated Balloon for Coronary In-Stent Restenosis: The AGENT IDE Randomized Clinical Trial
背景
薬剤コーティングバルーン(DCB)の、冠動脈ステント内再狭窄管理への有益性が認知されているが、FDA承認が必要である。
アメリカBeth Israel Deaconess Medical CenterのYehら(AGENT IDE)は、全米の40施設のステント内再狭窄600例を対象として、パクリタキセルコーティングバルーンの非コーティングバルーンに対する優位性を検証するRCTを行った。
一次エンドポイントは、1年時の標的病変不全(虚血を起因とする標的病変血行再建・標的病変領域の心筋梗塞・心臓死の複合)である。
結論
パクリタキセルコーティングバルーン(17.9%)の非コーティングバルーン(28.6%)に対する一次エンドポイントに関する優位性を認めた(HR 0.59)。
虚血を起因とする標的病変血行再建と標的病変領域の心筋梗塞に対する効果が顕著で、心臓死発生率には有意差がなかった。
評価
アメリカ初試験のストレートな結果で、これを受けて3月1日、FDAは同バルーンを承認した。以後、新規病変・分岐病変・小血管・出血高リスクの患者等への適応拡大が目指されることになる。