アメリカのULM-PCIのトレンド
Contemporary Use and Trends in Unprotected Left Main Coronary Artery Percutaneous Coronary: Intervention in the United StatesAn Analysis of the National Cardiovascular Data Registry Research to Practice Initiative
背景
最近アメリカでは非保護左冠動脈主幹部(ULM)病変に対してもPCIを行う流れがあるように見えるが、実態は。Rocky Mountain Veterans Affairs Medical CenterのValleらは、NCDR CathPCI Registryのデータを解析した(n=3,342,162[ULM-PCI n=33,128])。一次アウトカム・指標は、院内MACE(死亡・MI・脳卒中・緊急CABG)である。
結論
調査期間内でULM-PCIは倍増したがなお1.3%である。平均年間ULM-PCI症例は、術者あたり0.5、施設あたり3.2であり、年間平均ULM PCIが1症例以上の術者は16.5%、施設は53.7%であった。諸因子調整後、一次アウトカム発生は、他PCIと比較してULM-PCIでより頻繁であった(OR:1.46)。臨床試験と比較した場合、CathPCI Registryのリアルワールド患者はより高齢で合併症が多く、有害事象もより頻繁であった。
評価
SYNTAXの古典的結果(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19228612)は、CABGの優位を確認したもののPCIは禁忌とまではされなかった。ここでの330万例のリアルワールド結果は、未だそれが少数であること、また積極的推奨には値しないことを示した。