経食道心エコー・POCUSで大動脈解離を診断
The sonographic protocol for the emergent evaluation of aortic dissections (SPEED protocol): A multicenter, prospective, observational study

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
Academic Emergency Medicine
年月
February 2024
31
開始ページ
112

背景

大動脈解離は致死的な病態だが、救急での初診時には見逃される場合も多い。CT血管造影が診断のスタンダードとされているが、簡易かつ時間のロスの少ない超音波検査の需要は高い。
アメリカTemple UniversityのGibbonsらは、臨床的に大動脈解離が疑われ、経食道心エコー(TEE)と腹部大動脈のポイント・オブ・ケア・エコー(POCUS)を受けた救急外来成人患者の便宜サンプルにおいて、Stanford A型を示唆する3つの超音波所見(心嚢液貯留・解離内膜フラップ・流出路径35 mm超)を含むSPEEDプロトコルの検査特性を評価した。

結論

1,314件のPOCUS検査が実施され、21名がStanford A型、23名がStanford B型大動脈解離と診断された。44名のうち、41名では3つの超音波所見のいずれかが認められた。
SPEEDプロトコルの感度は93.2%で、特異度は90.9%、陽性適中率は26.3%、陰性適中率は99.7%であった。精度91%であった。

評価

TEEとPOCUSの検査プロトコルは、この研究のサンプルで3件のB型大動脈解離を見逃したものの、全体として高い精度を示した。救急外来での迅速な診断に役立つ。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)