早期のHR陽性乳がんでのribociclib、ホルモン療法への上乗せ効果示す:NATALEE
Ribociclib plus Endocrine Therapy in Early Breast Cancer
背景
CDK4/6阻害薬ribociclibは、進行したHR陽性・HER2陰性乳がん患者で生存期間を延長することが示されているが、早期乳がんに対してはベネフィットを有するのか?
アメリカUniversity of California, Los AngelesのSlamonら(NATALEE)は、HR陽性・HER2陰性II期・III期乳がん患者を、3年間のribociclib投与と5年以上のアロマターゼ阻害薬(レトロゾールまたはアナストロゾール)の併用、またはアロマターゼ阻害薬のみの治療へと割り付け、浸潤性疾患なき生存期間を比較する国際第3相RCTを実施した(n=5,101)。
結論
73.4%が白人、13.2%がアジア人であった。中間解析のデータカットオフ日までに、426名が浸潤性疾患または再発・死亡に至った。
3年無浸潤性疾患生存率は、ribociclib併用群で90.4%、アロマターゼ阻害薬単独群では87.1%であった(HR 0.75)。
評価
早期乳がんへのCDK4/6阻害薬追加では、monarchE試験のアベマシクリブが高リスク患者での効果を示しているが(https://doi.org/10.1016/S1470-2045(22)00694-5)、本試験のribociclib(Novartis)もこれに続いた。Ribociclibは、日本人での安全性の問題のため、日本では開発が中止されている。