大腸がん検診を血液検査で:ECLIPSE試験
A Cell-free DNA Blood-Based Test for Colorectal Cancer Screening

カテゴリー
がん、Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2024
390
開始ページ
973

背景

大腸がん患者では、腫瘍由来の遊離DNA(cfDNA)が血液中で検出されるが、cfDNA検査による大腸がん検診は可能か?
アメリカMassachusetts General HospitalのChungら(ECLIPSE)は、同国265施設で、45~84歳の大腸内視鏡検診の対象となる平均リスク成人を募集し、内視鏡検診前に血液サンプルを採取してcfDNA検査(Shield)を実施、大腸がんに対する感度とadvanced neoplasiaに対する特異度を評価する前向研究を実施した。

結論

検証コホートに含まれた10,258名のうち、7,861名が内視鏡・血液検査を適切に完了し、評価可能であった。
大腸内視鏡で検出された大腸がんに対するcfDNAの感度は83.1%で、I~III期の大腸がんに対する感度は87.5%、進行前がん病変(advanced precancerous lesions)の感度は13.2%であった。
大腸がん/advanced colorectal neoplasiaとも確認されなかった参加者のうち、89.6%がcfDNA陰性であった(特異度)。Nonadvanced precancerous lesionsまで含んだ大腸内視鏡陰性に対するcfDNAの特異度は89.9%であった。

評価

マルチターゲット便DNA検査による大腸がん検診の結果とともにNEJM誌に発表された(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2310336)。早期大腸がんに対するcfDNA検査の精度は、便DNA検査と同様であり、大腸がん検診における選択肢の一つとなりうる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)