ICUせん妄へのハロペリドールは1年死亡率を低下させる:AID-ICU試験長期結果
Long-term outcomes with haloperidol versus placebo in acutely admitted adult ICU patients with delirium
背景
AID-ICU試験は、急性疾患によりICUに入室した成人患者(n=1,000)を、ハロペリドールまたはプラセボへと割り付け、90日生存日数を比較したRCTであり、以前の報告によれば、90日時点での退院後生存日数には差がなかったものの、90日死亡率はハロペリドール群で低い傾向が認められた(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2211868)。
デンマークZealand University HospitalのMortensenらは、同試験の1年アウトカムに関する事前指定解析の結果を報告した。
結論
1年死亡率は、ハロペリドール群44.7%、プラセボ群51.6%であった(調整済み絶対リスク差6.4%)。追加で変数を調整した二次解析でも結果は同様であった。
1年後の健康関連QOLについては、EQ-5D-5Lの調整済み平均差0.04、EQ VASの平均差3.3と、有意な差はなかった。
評価
90日アウトカムに関するベイジアン解析は、ハロペリドールがベネフィットを有する確率を92%と見積もっていたが、この1年解析でも生存曲線の分離は持続しており、死亡率に関するハロペリドールの優位性が確認された。