コレステロール排出能は心筋梗塞の生命予後を予測する
Association of Serum Cholesterol Efflux Capacity With Mortality in Patients With ST-Segment Elevation Myocardial Infarction
背景
コレステロール逆輸送初期イベントの統合指標であるコルステロール排出(efflux)能は、HDL-Cの血中平衡レベルと無関係に動脈硬化に関係する。フランスSorbonne UniversiteのMontalescotらは、急性心筋梗塞入院連続患者1,609名を対象として、コレステロール排出能の予後予測能を検討した。一次エンドポイントは、罹患後6年間(中央値1.9年)における全死因死亡である。
結論
年齢・性別・通常心血管疾患リスク因子・心筋梗塞予後因子による調整後、血清コレステロール排出能は重要な予後予測因子であった(1SD上昇による死亡HR:0.79)。血清コレステロール排出能が高い患者は6年死亡リスクが低かった(aHR:0.54)。
評価
2012年に同指標のアッセイ法を確立したグループがその直後から開始した臨床検証結果の報告である。新たなバイオマーカーとして有用であるばかりでなく、進行中の標的薬開発にも拍車をかける。