RCTで示す、DCM症状軽快患者への休薬は不可
Withdrawal of pharmacological treatment for heart failure in patients with recovered dilated cardiomyopathy (TRED-HF): an open-label, pilot, randomised trial
背景
症状・心機能が回復した拡張型心筋症(DCM)患者は休薬してよいか。英Royal Brompton HospitalのPrasadら(TRED-HF)は、これを検証する非盲検RCTを行った(n=51)。対象は無症候でLVEFが40%未満から50%以上に改善した患者(LVEDV正常、NT-proBNP濃度<250 ng/L)で、一次エンドポイントは、半年以内のDCM心不全指標の悪化である。
結論
最初の6ヶ月間で、治療中止群の44%が一次エンドポイントに達した(Kaplan-Meir事象発生率:45.7%)。両群とも死亡は報告されなかったが、治療中止群では3つの重篤有害事象(非心臓性胸痛・敗血症・入院)が報告された。
評価
結論は休薬は不可、ということである。カージオロジーにおける休薬問題には幾つかの研究があったが、対象疾患を限定して心不全治療の中断の是非をRCTで検証する、というのは初めての試みである。様々な治療の休止問題研究の範例となる。