低リスク子宮頸がんでは単純子宮全摘で良い:SHAPE試験
Simple versus Radical Hysterectomy in Women with Low-Risk Cervical Cancer
背景
早期低リスク子宮頸がんでの子宮傍浸潤は稀で、広汎子宮全摘術よりも限定的な切除で安全な可能性がある。
カナダCentre Hospitalier Universitaire de QuebecのPlanteら(SHAPE)は、12ヵ国130施設で、病変径2 cm未満、間質浸潤50%未満、浸潤深度10 mm未満の低リスク子宮頸がん患者を登録し、広汎子宮全摘術または単純子宮全摘術を割り付け、骨盤内再発率を比較する多施設ランダム化非劣性試験を実施した(n=700)。
結論
全患者の91.7%がIB1期、61.7%が扁平上皮腫瘍、59.3%がグレード1・2であった。ITT集団の3年骨盤内再発率は、広汎子宮全摘群で2.17%、単純子宮全摘群で2.52%と有意な差はなかった。再発率の絶対群間差の90%信頼区間上限は2.32%ポイントで、非劣性マージンとして設定された4%ポイント以内であった。Per-protocol解析でも結果は同様であった。
尿失禁の発生率は、術後4週以内(2.4% vs. 5.5%)、4週以降(4.7% vs. 11.0%)とも単純子宮全摘群の方が低かった。尿閉の発生率についても、術後4週以内(0.6% vs. 11.0%)、4週以降(0.6% vs. 9.9%)の両方で、単純子宮全摘群の方が低かった。
評価
単純子宮全摘は、再発率について広汎全摘に劣らず、尿失禁・尿閉の発生率は低くなった。適切に選択された低リスク患者では、単純子宮全摘を選好させるエビデンスとなる。