急性期脳梗塞に舌下投与の神経保護薬、機能アウトカムを改善:TASTE-SL
Sublingual Edaravone Dexborneol for the Treatment of Acute Ischemic Stroke: The TASTE-SL Randomized Clinical Trial
背景
血栓回収療法後の脳梗塞患者を対象としたESCAPE-NA1試験は、神経保護薬nerinetideの有効性を示唆したが、虚血性脳損傷に対する細胞保護アプローチはさらなる検証を必要としている。
中国Peking University Third HospitalのFuら(TASTE-SL)は、同国33施設の急性虚血性脳卒中患者に対して、エダラボンとデクスボルネオール(竜脳)を配合した舌下錠またはプラセボを割り付け、第3相RCTを実施した(n=956)。
結論
90日後、修正ランキンスケールが1以下の機能的良好アウトカム率は、エダラボン・ボルネオール群で64.4%、プラセボ群では54.7%であった(オッズ比 1.50)。
有害事象の発生率は両群同等であった(89.8% vs. 90.1%)。
評価
日本でも承認されているエダラボンとボルネオール(いわゆる竜脳)は、フリーラジカル除去と抗炎症の相互作用により、脳細胞保護効果が期待されており、本試験では急性脳梗塞患者への投与により、機能アウトカムが改善されることを示した。
舌下投与であり、急性期での医療リソース負担を最小限に抑えられることは大きな利点で、中国国外での検証が期待される。