高Lp(a)のMACEリスクはASCVDの有無にかかわらない
Lipoprotein(a) and Major Adverse Cardiovascular Events in Patients With or Without Baseline Atherosclerotic Cardiovascular Disease

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
March 2024
83
開始ページ
873

背景

リポタンパク質(a)[Lp(a)]は、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のリスク増加と関連するが,リスク評価のための最適な閾値は、ベースラインのASCVDの状態によって異なるか。
アメリカBrigham and Women’s HospitalのBlanksteinらは、2000〜2019年にかけて、ボストンの2つの医療センターでLp(a)を測定した患者を対象とする後向コホート研究により、この問題を検討した。
エンドポイントは、MACE(非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・冠動脈血行再建術・心血管死亡)である(n=16,419、追跡期間中央値11.9年)。

結論

ベースラインでASCVDが確定していた62%の患者で、Lp(a)71〜90パーセンタイル群ではMACEのリスクが21%上昇し、これは91〜100パーセンタイル群(aHR 1.26)と同様であった。ASCVDが確立していななかった残りの患者でも、Lp(a)増に対するMACEリスクの連続的上昇を認め、91〜100パーセンタイル群でaHRは1.93であった。

評価

一次・二次予防で考慮すべき基本的な問題に関し、高Lp(a)値のリスクがベースラインのASCVDステータスとは関係がない、という明快な回答を与えた。Lp(a)をターゲットとして行われているLp(a)HORIZON(https://clinicaltrials.gov/study/NCT04023552)やOCEAN(a)-Outcomes(https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05581303)等にも示唆を与える結果である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)