エストロゲン膣内投与は乳がん死亡を増やさない
Vaginal Estrogen Therapy Use and Survival in Females With Breast Cancer
背景
エストロゲンの膣内投与は、閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)の症状に対する効果的な治療法であるが、膣内投与が乳がん発症・死亡に与える影響は知られていない。
アイルランドQueen's University BelfastのMcVickerらは、スコットランド・ウェールズの2件の大規模集団コホートにおいて、乳がん患者における腟錠・クリームによるエストロゲン膣内投与(処方記録)と乳がん特異的死亡との関連を検証した(n=49,237)。
結論
5,795名が乳がんにより死亡した。乳がん患者の5%が、診断後にエストロゲン膣内投与を行っていた。
エストロゲン膣内投与を行った患者の乳がん特異的死亡率は、非使用者と比較して高くなかった(HR 0.77)。
評価
エストロゲン膣内投与が乳がんの死亡リスクを高めるという兆候はみられなかった。処方データに基づく研究で強いエビデンスとは言えないが、GSMでの治療選択にある程度の安心感をもたらす。

