CIED感染予防に「決め手」はない?
Prevention of Arrhythmia Device Infection Trial: The PADIT Trial
背景
植込み型医療機器による感染症予防の決め手は見つかっていない。カナダUniversity of British ColumbiaのKrahnら(PADIT)は、クラスター無作為化クロスオーバー試験により、植込み型心臓デバイス(CIED)術時の従来治療(セファゾリン術前投与)に対する漸増的抗菌薬治療(セファゾリン・バンコマイシン術前投与、術中bacitracin pocket wash、術後セファレキシン投与)の有効性を検証した(n=19,603)。一次アウトカムは、ハイリスク患者の機械感染による1年間入院である。
結論
漸増的抗菌薬投与法に一次アウトカム有効性を認めなかった。患者部分集団・施設毎分析でも有効集団は発見できなかった。
評価
重要問題に関し多施設が協力した大規模試験だが、漸増法がよいという印象が得られたものの有意差は出せなかった。著者らは、その原因が「従来治療」の進歩であることを示唆している。最高リスクの患者に対しアグレッシブな治療を選択する、という選好を否定するほどの結果とはみられない。