肥満と髄膜腫発生に関連?:6万例の手術データ
Obesity and meningioma: a US population-based study paired with analysis of a multi-institutional cohort
背景
肥満と髄膜腫発生の間に因果関連がある、という仮説がある。
アメリカNorthwestern UniversityのKhazanchiらは、米国外科医療品質向上プログラム(NSQIP)の前向データを用いて、この問題を検討した。2005年以降の16年間に開頭手術を受けた頭蓋内腫瘍患者のうち、髄膜腫は13,535例で,非髄膜腫は45,804例であった。
結論
髄膜腫患者は非髄膜腫患者と比べて過体重または肥満である可能性が高く、体重が増加するにつれオッズ比も増加した(いずれもp <0.0001)。女性でクラスIIIの肥満の割合は髄膜腫患者10%に対して非髄膜腫患者6%であった。
主要2施設の髄膜腫症例813例の解析で、男性の髄膜腫患者のうち肥満患者では、非肥満患者と比較して頭蓋底腫瘍の割合が有意に高かった(52% vs. 37%)。
評価
約6万例という膨大な数の脳腫瘍開頭手術症例データから、興味深い仮説に一定の支持を与えた。髄膜腫自体が女性で男性より2倍好発することが知られており、エストロゲンレベルとの関連が示唆されている。同じ因子が肥満患者でも働いている、という、さらなる仮説を生成した。

