論争の結論は、「電子タバコは禁煙によい」:ESTxENDS
Electronic Nicotine-Delivery Systems for Smoking Cessation
背景
電子ニコチン送達システム(電子たばこ)の禁煙補助能は重大な問題で、結論が必要である。
スイスUniversity of BernのAuerら(ESTxENDS)は、1,246名を対象として、この問題を検証する非盲検RCTを行った。参加者は1日5本以上喫煙しているが禁煙を希望している成人で、介入群には、電子たばこと電子たばこ用液を無料提供して標準禁煙カウンセリングを行い、任意・有料のニコチン代替療法も行い、対照群には、標準的カウンセリングに加え、任意目的に使用できるバウチャーを提供した。
一次アウトカムは、6ヵ月時点での生化学的に確認された禁煙継続である。
結論
電子たばこ介入群の一次アウトカムに対する効果を認めた(相対リスク 1.77)。6ヵ月時受診前7日間の禁煙の報告者も介入群が多かったが、あらゆるニコチンからの離脱を報告した参加者率は対照群が高かった(20.1% vs. 33.7%)。
重篤な有害事象に有意差はなかった。介入への禁煙カウンセリングの追加は、禁煙率を改善した。
評価
長年の問題だが、2024年にはコクランレビューも現れ(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38189560/)、この最新RCTと相まって「禁煙に有効」という結論に近づいた。著者らは参加者をさらに5年間追跡するとしており、最終的な結論が出される日は近い。