ヨーロッパMITRA-FR、二次性MRによる心不全患者へのTMVRの無益を示す
Percutaneous Repair or Medical Treatment for Secondary Mitral Regurgitation
背景
アメリカのCOAPT試験は、慢性心不全の二次的僧帽弁逆流(MR)患者に対する経皮的僧帽弁修復(TMVR)の効果を示した。同じNEJMに、フランスHopital Cardiothoracique Louis PradelのObadiaら(MITRA-FR)は、MR >30 ml/beatまたは有効逆流域面積 >20 mm2でLVEF15%~40%の患者304名を対象として行った類似RCTの結果を発表している(対照:薬物療法)。一次有効性アウトカムは、12ヶ月時点における全原因死亡または心不全による予定外入院の複合である。
結論
一次有効性アウトカムおよびその各構成要件において、TMVRの薬物療法への優位を認めなかった。
評価
欧米での独立本格RCTが同時に矛盾する結果を出す、という珍しい事態である。NEJM Editorialは、ガイドライン最適化薬物治療でも改善のない重症患者への適応は認められるのではないか、という見解を示している。