脊損者は心血管疾患リスクが倍増する
Increased Risk of Myocardial Infarction, Heart Failure, and Atrial Fibrillation After Spinal Cord Injury
背景
脊髄損傷(SCI)が心血管疾患リスクを上げる、というデータがある。
韓国Seoul National University HospitalのYooらは、SCIサバイバー5,083名と、年齢・性別を一致させた非SCI対照者を比較するマッチドコホート研究を行った。
結論
SCIサバイバーは、心筋梗塞・心不全・心房細動のリスクが高く(aHR 2.41・2.24・1.84)、重度障害があると、リスクがさらに高まった(3.74・3.96・3.32)。このリスクは特に胸髄損傷患者で高かった。
評価
カナダから2010年に症例報告された関連で(https://www.nature.com/articles/sc20102)、2015には台湾の国家規模のデータで確認された(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25394315/)。今回の韓国報告は実質的な因果関係を示唆する結果で、歩みは遅いものの重要な研究テーマとして確立された。