重症患者へのTMVRの有益性を示す
Transcatheter Mitral-Valve Repair in Patients with Heart Failure
背景
大動脈弁狭窄へのTAVR適応の確立の後、僧帽弁逆流(MR)に対する経カテーテル修復(TMVR)の有用性の評価が大きな課題となった。Columbia UniversityのStoneら(COAPT)は、二次性MRの心不全中等度以上患者を対象として、最適薬物療法へのTMVR追加の有効性・安全性を検証するRCTを行った(対照:最適薬物療法、n=614)。一次有効性エンドポイントは24ヶ月追跡期間中の全心不全入院であり、一次安全性エンドポイントは12ヶ月の時点でのデバイス関連合併症の不在である。
結論
TMVRの一次エンドポイント有効性が示された(HR:0.53)。一次安全性エンドポイントでもデバイス群が優った(HR:0.62)。
評価
NEJMはすでにTMVRが無益という ヨーロッパでのMitra-FR結果を掲載しており(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1805374)、結果が矛盾することになった。COAPTの患者がより重症だったことによるとも見られ、決定試験が行われる前に重症者へのTMVRが拡大する可能性がある。