局所進行胃がん周術期化学療法へのペムブロリズマブ上乗せは?:KEYNOTE-585
Neoadjuvant and adjuvant pembrolizumab plus chemotherapy in locally advanced gastric or gastro-oesophageal cancer (KEYNOTE-585): an interim analysis of the multicentre, double-blind, randomised phase 3 study
背景
免疫チェックポイント阻害薬は、切除不能進行・再発胃がんの一次治療においても有効性を示している。では、切除可能な進行胃がんにおける周術期補助化学療法への上乗せはどうか?
日本National Cancer Center Hospital East(国立がん研究センター東病院)のShitaraら(KEYNOTE-585)は、世界24ヵ国143施設の治療歴のない切除可能な局所進行胃がん・食道胃接合部がん患者を対象に、術前補助化学療法および術後補助化学療法(メインコホート[n=804]はシスプラチンベース、残り[n=203]はFLOTベース)に追加してペムブロリズマブまたはプラセボの静注を割り付け、病理学的完全奏効・無イベント生存期間・全生存期間を比較する第3相RCTを実施した。
結論
メインコホートの病理学的完全奏効率は、ペムブロリズマブ群で12.9%、プラセボ群で2.0%であった。無イベント生存期間(中央値)は、ペムブロリズマブ群で44.4ヵ月、プラセボ群25.3ヵ月であったが(HR 0.81)、有意性閾値を満たさなかった。全生存期間(中央値)はペムブロリズマブ群60.7ヵ月、プラセボ群58.0ヵ月であった(HR 0.90)。
グレード3以上の有害事象、治療関連重篤有害事象の発生率には差がなかった。
評価
ペムブロリズマブの上乗せにより、完全奏効は増加したものの、EFSの有意な改善にはつながらなかった。ただし、マイクロサテライト不安定性が高い(MSI-H)サブグループなどではペムブロリズマブ優位とみられ、患者を絞り込めば、有効性も示されるかもしれない。


