18歳未満のヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者を見つけられるか
Familial hypercholesterolaemia in children and adolescents from 48 countries: a cross-sectional study
背景
現在の家族性高コレステロール血症(FH)患者のうち、18歳未満で確診されたのは2.1%にしかすぎない。
European Atherosclerosis Society Familial Hypercholesterolaemia Studies Collaboration(EAS FHSC)は、FHSC登録時に臨床診断または遺伝子診断を受けた18歳未満の参加者のレジストリ(48ヵ国)データを用いて、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)小児・青少年の横断研究を行い、早期スクリーニングの有用性の基礎を検討した。
結論
FHSC登録者63,093名のうち、11,848名が、18歳未満のHeFH患者で、診断時の年齢中央値は9.1歳(臨床診断:8.0歳/遺伝子診断:9.3歳)であった。
18歳未満のHeFH患者の72.4%が、脂質低下薬による治療を受けておらず、未治療患者のLDL-C中央値は5.00 mmol/L(193 mg/dL)であった。また、採用するLDL-Cカットオフの基準値によっては、遺伝子診断された患者の50%以上が、臨床診断から漏れる可能性が示唆された。
評価
18歳未満のHeFH患者のほとんどが見逃されている実態を確認した基礎研究である。現在、成人患者の近親非成人へのカスケードスクリーニングが推奨されているが、遵守は十分でない。カットオフ値を再確定して9〜11歳児の脂質スクリーニングを行い、遺伝子検査に進む、という方策が考えられるが、可能な国は極少数である。


