成人心臓移植待ち患者の新スコアリングシステムUS-CRSを開発
Development and Validation of a Risk Score Predicting Death Without Transplant in Adult Heart Transplant Candidates
背景
アメリカでの心臓移植では、6-status systemが優先順位付けに使われているが、理想的ではない。
アメリカUniversity of ChicagoのParkerらは、現行のFrench Candidate Risk Score(French-CRS)モデルに臨床・検査・血行動態データを組み込んだ新スコアリングシステムUS candidate risk score(US-CRS)を開発し、初期検証を行った(n=[UNOSシステム] 16,905)。
一次アウトカムは、移植待機リストに載せられてから6週間以内の死亡である。
結論
4.7%が移植を受けずに死亡した。
最終的にUS-CRSに組み込まれた因子は、短期機械的循環補助(MCS)・対数ビリルビン・eGFR・対数BNP・アルブミン・Na・durable LVAD(左室補助人工心臓)であった。
試験データセットでは、US-CRSモデルの一次アウトカムに関するAUCは0.79(French-CRSモデルは0.72、6-statusモデルは0.68)であった。
US-CRSモデルのoverall c-indexは0.76(French-CRSモデルは0.69、6-statusモデルは0.67)であった。大動脈内バルーンパンピングと経皮的補助人工心臓を短期MCSに分類すると、効果サイズは54%減少した。
評価
個別医師の臨床主観への依存を減らした客観的なモデルである。著者らは、「高度な深層学習・機械学習を構想したが、ここでの単純なモデルに回帰した」という。重要な評価システムであり、さらなる検証が行われることになる。