MitralClipによる機能的MRへのMTEERを承認後リアルワールド検証
Transcatheter Edge-to-Edge Repair in COAPT-Ineligible Patients With Functional Mitral Regurgitation
背景
COAPTは、機能性僧帽弁逆流(FMR)患者へのMitraClipによる僧帽弁経カテーテルedge-to-edge修復術(MTEER)の承認をもたらすランドマーク試験であった。
アメリカUniversity of Missouri-Kansas CityのChhatriwallaらは、治験不適格とされた同患者集団を含めたCOAPT試験患者の術後アウトカムに関する承認後試験(PAS)の結果を発表している。
一次エンドポイントは、1年間死亡または心不全による入院である。
結論
レジストリ登録6,675名の44.3%が治験不適格であった。治験不適格患者では、治験適格患者と比較して有意に技術的処置の成功率が低く(86.9% vs. 92.6%)、かつ院内合併症の頻度が高かった(11.8% vs. 5.7%)。
30日時点での臨床的に意味のある健康状態の改善率は、各80%弱で同等だったが、試験不適格患者では、1年死亡または心不全による入院のリスクが有意に高かった(HR 1.73)。
評価
MitralClipによるMTEERの、必須の承認後検証である。著者らは、「明らかに有用だが、COAPT不適格であった患者では有用性は下がる」という解釈を打ち出しているが、JACC Editorialは、「リアルワールドでの日常臨床に組み込まれるためには、 many more questions remain to be answered」としている。なお、 MitraClipに関しては、MITRA-FRの意外な否定的な結果に加え、RESHAPE-HFは試験自体を中止している。