MGHデータが示す、痛風再発防止の鍵は目標血清尿酸値の遵守
Serum Urate and Recurrent Gout
背景
痛風コントロールのための目標尿酸値は、再発予測にも有効か。
アメリカMassachusetts General HospitalのChoiらは、2006~2010年にイギリスにおいて痛風の既往歴のある患者3,613名を対象に、平均追跡期間8.3年の後向集団ベース研究を行い、単一の血清尿酸(SUA)値とその後の急性痛風再燃・入院リスクとの関連を評価した。
一次アウトカムは、入院・外来・処方箋・処置の記録によって確認された急性痛風の再発率である。
結論
追跡期間中に1,773名に痛風の再燃が発生した。この95%はベースラインSUA値6 mg/dL以上で発生し、98%がベースラインSUA値5 mg/dL以上で発生した。
1,000人年当たりの急性痛風再燃率は、ベースラインSUA値が6 mg/dL未満の参加者で10.6、6.0~6.9 mg/dLで40.1、7.0~7.9 mg/dLで82.0、7.0~7.9 mg/dLで101.3、さらに、8.0~8.9 mg/dL の場合は125.3、9.0~9.9 mg/dLの場合は125.3、10 mg/dL以上の場合は132.8であった。
10年間の再燃率比は、各 1.0・3.37・6.93・8.67・10.81・11.42であった。1,000人年当たりの入院率も同様の傾向を示した。
評価
SUA値と再発リスクの関連は当然の結論ともみられるが、このような関連を明示した初めての研究である。アメリカのプライマリケア医に目標尿酸値の遵守を促す結果である。