広範囲の脳梗塞に対する血管内治療の効果は長期的:SELECT2試験の1年アウトカム
Endovascular thrombectomy plus medical care versus medical care alone for large ischaemic stroke: 1-year outcomes of the SELECT2 trial
背景
SELECT2試験は、北米・ヨーロッパ・オセアニアの31施設で、発症24時間以内でASPECTSが3〜5またはコア体積が50 mL以上の内頚動脈・中大脳動脈M1部梗塞患者を、血管内治療+内科的治療または内科的治療のみへと割り付け、血管内治療の有効性・安全性を検証する国際RCTであり、RESCUE-Japan LIMIT試験やANGEL-ASPECT試験と同様、虚血性変化がより広範囲の主幹動脈閉塞でも血管内治療が有効であることを実証した(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2214403)。
アメリカUniversity Hospital Cleveland Medical CenterのSarrajらは、同試験の1年アウトカム結果を発表した(n=352)。
結論
90日アウトカムについて介入群での有効性を認めたため、試験は中間解析後に早期終了した。
1年後の修正ランキンスケールのスコア分布についても、血管内治療の追加による改善が認められた(Wilcoxon-Mann-Whitneyの優越確率 0.59, 一般化オッズ比 1.43)。1年後の死亡率は、血管内治療群45%、対照群52%で有意な差はなかった(相対リスク 0.89)。
評価
日中の2試験とともにガイドラインの書き換えにつながったRCTだが、本報告では、血栓回収療法によるアウトカム差が1年のフォローアップ後も持続することが確認された。